2016年1月17日日曜日

2015 日本語ラップ年間ベスト•音楽駄話 前編

2015年の年の瀬(12/26)に、昨年に引き続き開催した日本語ラップ駄話を
文字起こししてみました。
メンバーは、昨年に引き続き108、日本のR&B関連が専門のKazzmaにも参加してもらいました。
かなり時期を逸した感は拭えませんが、お時間あれば。

2015年 ベスト日本語ラップアルバム

Cyder's Choices

Cyder:まず、僕から。

3位、ZORNTHE DOWNTOWN



2 KOHHYELLOW TAPE3


1位、RAU DEFESCALATE II


108…つまんね〜。最近日本語ラップ聴き始めた奴みたいなランキングやん!
Cyder:まぁ、そうですよね…
108:でもまぁ、理由がやっぱ大事やからな。
Kazzma:そうですね。


ZORNTHE DOWNTOWN

Cyder第3位から説明をすると、ZORN「Down Town」は、本作に限らず、ZORN、最近すごい良いなぁと思ってて。

108:いや〜良いよね。俺も、最近めっちゃ聴いてる。昭和入ってからのファーストも、遡って聴いたり。ZONE THE DARKNESS時代は、あんまり好きじゃなかったけど。
Cyder:ZORNが良いところは、ZORNが良いんじゃなくて、結果的にですね…
108話、イジくりすぎておかしくなってるね
Cyder:…今年うまくいかない感じがしてきましたね。
108:遮ってごめんごめん。最後まで聞くわ。
Cyder:すんません笑。まず、日本語ラップシーン全体が、韻であるとか、オーソドックスな日本語ラップからどんどん逸れていってる現状があり。KOHHとかが、その顕著な例で、その流れを牽引してるわけですけど。その中で、ZORNは、非常にオーソドックス、かつオーセンティックな日本語ラップをしてるんですよね。それでいて、勿論、彼はリリシズムは当然間違いないわけで。みんながベストに挙げていた、My Lifeで改めてそれを見せつけたかなっていう。


108ZORNはさ、まずさ、韻が固い、固過ぎる位だよね。平気で6文字とか踏むし。確かにオーセンティックやけど、フローはオーセンティックではないのも良いよね。ビートもオーセンティックなチョイスだけじゃないし。まぁ、「My Life」は完全狙った感あるビートチョイスだったけど。
Cyder:「My Life」は、完全なクラシック狙いですもんね笑 でも、確かにクラシック化に成功したから、別に良いんですけど。
108:あれはね、確かにやられるね。ZORN、リリースされた時はスルーしててんけどなぁ。


KOHHYELLOW TAPE3

Cyder:それで、2位が、KOHHの「Yellow Tape3」

108DIRT」ではないんや。

Cyder:「DIRT」ではないです。「DIRT」を選ばなかった理由は、勿論、あのアルバムにも、物凄い期待して速攻聴いたんですけど。
Kazzma:まあ、聴きにくいアルバムですよね。
Cyder:そう、「DIRT」は聴きにくいんですよね。あと、おっさんとしては、トラップ的なノリに、若干、疎外感を覚えるのは否定できないところがあり…。
108:そういう意味では、Jinmenusagi好きなのに、何が違うん?
CyderJinmenusagiは好きですよ。でも、今年のアルバム「ジメサギ」は、去年よりは好きじゃないかもしれません。去年の「LXVE-業放草-」は、すごい好きだったんですけど。

108:サンプリングとかも多かったもんね。
Cyder:「LXVE-業放草-」は、所謂「日本語ラップオタク」に歩み寄った作品みたいですからね。そりゃ、僕みたいな典型的オタクリスナーはやられますよね。
108:そういう意味じゃ、今回のアルバムは全然違うもんな。
Cyder:で、話をKOHHに戻すと、トラップの難点は、そういうルールがあるわけじゃないはずなのに、みんな「リリックの無内容競争」に巻き込まれてしまう、というところ。さっきのZORNの話にも繋がってきますけどね。その点、「YELLOW TAPE3」は、ビートジャックもあり、バラエティ豊かで、リリックも面白かったかな、と。
108:でも、あれをアルバムと言って良いかは、微妙だけどね。
Cyder:それは確かにそうなんですけどね。でも、今年、KOHHがシーンの中心にいたのは誰も否定できない中で、その「中心感」を醸成したのは、DIRTよりも、「Yellow Tape3」かな、と。
108:確かになぁー。ビートジャックも良かったし。Kanye Westの「All Day」にあのアプローチ(「毎日だな」)できるヤツどんだけおんねん、っていう話やからな。
 
Cyder:あの曲、すごいですよね。最後の、オフビートのめちゃくちゃな乗せ方もすごいし。
108:「結局地元」も「Yellow Tape3」に入ってる曲だしね。


108:あと、「ありがとう、アリが10匹」みたいな曲もあったやん。
Kazzma:え…?「It G Ma」ですか?
Cyder:「It G Ma」ですね。



108:いや、違う、それじゃなくて!…あ、思い出したわ、10匹でも足りない」
Cyder:ああ笑。あの曲ですね。やっぱり、KOHHタイトル力もありますよね。タイトル聞いた瞬間にクスッとするような。「こいつ、バカなのかな?」みたいな。
108:「Paris」とかも良かったよね。「ワールドワイド、ワールドワイド」とか、思わず口に出ちゃうもんね。
Cyder:僕が好きなタイトルは、「全部余裕」。あとは、「どうでもいい」とか。
108:あとは、「HIROI SEKAI」とか。ワールドワイドを和訳しただけっていう笑


RAU DEFESCALATE II


Cyder:で、一位が、RAUDEF ESCALATE II
108:これなー。俺、なんでこのアルバムがこんなに評価高いのかよくわからんねん。確かに、良いアルバムだと思うけど。
Cyder:それもね。僕なりの理屈があるわけですよ。「ESCALATE II」は、僕たちアラサーオタクヘッズ向けられてる感じがするんですよね。最新じゃないけど、僕が一番聴いてた、2010年ぐらいの日本語ラップを思い出させる何か。「ESCALATE II」には、それがありました。
108「スターウォーズエピソード7」的な笑
Cyder「おっさん世代への過剰な接待」笑
108:そういえば、おれがZORN聴き始めたのも、RAU DEFのアルバムがきっかけやったわ。あの曲のZORNは、神懸かってたね。韻が固いし、意味もあるし。
Cyder:間違いないっすね
108:でもねー…今、PUNPEE使うのはね〜、最早「ズル」だからね。

Cyder:笑。そうっすねー
108:どの曲が好きなん?
CyderDestroy feat. 5lack
Kazzma:あれ、カッコイイっすよね〜
108:まぁ、あの曲の、イントロのギタ−のリフがヤバいっていうのはわかる。
Cyder:そうなんですよ。イントロで勝負あり笑 でも、あのアルバム、「Vicory Decision feat. SKY-HI」はダメ
108:わかる。SKY-HIは入ったらあかんかってん。いくら金出しててもさ、入ったらあかんかってん…
Cyder:笑
108:あとあれか。「FREEZE!!!
Cyder:実はPUNPEE裏で糸引いてました、っていう曲笑
108:そうそう
Cyder:いろいろ感じる人もいたみたいですけど、PUNPEEって、元々暗躍キャラじゃないですか。「今夜が田中」とかも、「やっぱりどう考えても PUNPEE以外いないんじゃないの…?」っていう。真相はわかりませんけど。

108:それにしても、「ESCARATE II」、結構、皆上位に挙げてたよね


−−KOHHシンドロームとRAU DEF、ZORN

Cyder:やっぱり、日本語ラップシーンのみんながKOHHシンドロームに流されてる中、オーセンティックなこのアルバムは目立つんですよね。
108:確かにな。でもKOHHシンドローム的なものへの回答とかゴールは、RAU DEFではないと思うんやけどな。
Cyder:それは確かに。今回のアルバムは凄い保守的ですから回答にはなり得ないですよね。とはいえ、このKOHHシンドロームの中で、結果的にZORNと、RAU DEFが目立ってきてる、というのは事実ですから。
108:まぁね。
CyderKOHHシンドロームで思うのが、この前の、某ラジオ番組主催で、某デカい箱でやったあの日本語ラップイベント
108:あぁ。
Cyder:あれ、凄いスベってたじゃないですか
108:あれ、やばかったね。
Cyder:会場ガラガラだったんですよ。もう、だだスベリ。
108:加えて、スベったことが一切インターネットに出てこないっていうのは、怖かったね
Cyder:その中でも、なんとか一番盛り上がったのは、同時開催の「罵倒」っていう。「結局MCバトルかよ」感が凄い。それで、あのイベントで思うのは、最近、KOHHに注目が集まりすぎちゃって、彼以外のラッパーは、相対的にどころか絶対的に負けつつある、ということで。あのイベントで、KOHH以前の、トップ・ランカーのラッパーのLIVEですら全然アゲ切れてない感じとか、それが顕著に見えた気がしました。彼がLIVEで先行披露した新曲も、「KOHHっぽいな…」っていう。KOHHの影を、こっちが勝手に見ちゃう
108:話をRAU DEFに戻すとさ、あのアルバムだけだと、「メモリを食いつぶす」メソッドなんだけど、普通、おじさんがやることを、ギリギリ若いうちにやっておいた、っていうのは良かったかもね
Cyder:確かに。5年後に「『ESCALATE II』行くぜ!」って言われると「おいおいマジか」ってなっちゃう気はしますね笑
108:いや、残念ながら、古いものはどんどん美化されていくから、もっと売れたかもしれないけどね笑
Cyder:悲しいところですけどね。

108's Choices

108:じゃあ、次は、俺か

第3位、KID FRESINOConq.U.Er

第2位、KANDY TOWNKruise


第1位、RHYMESTERBitter, Sweet & Beautiful


Cyder:えぇ〜。1位に異論あり、ですけどね。
Kazzma:僕はこの3枚、納得しましたよ。


KID FRESINOConq.U.Er


108:まず、「Conq.U.Er」はね、やっぱりね。一発目、「Special Radio feat. IO」のPVが出た時に、「これはやばいな」って皆思ったと思うんだよね。
 
Cyder:それは確かに。
108jjjの跳ねたビートに、KID FRESINOが縦横無尽に乗りまくって。「おいおい、客演大丈夫かよ?」って皆が思う中、IOが、…意外と頑張るっていう笑

Cyder:あの客演は、2015のやりたくない客演ランキング1の客演ですよね
108:からの、もう一曲、PVで出たのが「BlackMerde」。




108:あのPVで、「これ、ホンマやばいアルバム来るな」っていう、期待値を上げまくって。でも、アルバムは余裕で上回ってくる感じで。
Cyder:確かにそうっすね
108:一曲目の「Arrived (1975-2015)」で完全に超えてきてるからね。「Arrived (1975-2015)」は、2位のKANDY TOWNの「Kruise」でも起用された、noshっていうビートメーカーのトラックなんだけど。
Cyder:あれもnoshなんですか?
108:そうそう。で、「Conq.U.Er」は、基本的に、そういうサンプリングビート多めで。歌モノもそうだけど、今は、90年代回帰がど真ん中だから、そういうビート自体は目新しくないけど、それに対して、どういうアプローチ、フローでやっていくか?そこが、このアルバムは面白くやれてる。
Cyder:なるほど。
108KID FRESINOの前のアルバムのリリックは、何言ってるか本当にわからない感じだったけど。昔のブッダとかニトロみたいなね。で、偶にパンチラインが来るっていう良さ、でさ。でも、今回のアルバムは、最後の「Turn. (Who Do) feat. jjj」は、実はB-BOY賛歌をやってて。
Cyder:へえ。わかってませんでした。
108:リリックの殆ど日本語。FEBBがいなくなったことに対する気持ちを表してんのかな、っていう。そういう、内容重視の曲もあって、アルバムとして完成度が上がってる。
CyderFEBBって、やっぱりそうなんですか。
108:そういう話もあるよね。あまり表に出てこないし。でもまぁ、何れにせよ、ISSUGIC.O.S.A.も、今年代表するレベルの人が皆信頼してて、若いのにNYで一人でやれてるってのがすごい。
Cyder:あれ、生活費とかどうしてるんですかね?
108:そこかよ。でも、ISH-ONEとかもやってるから、大丈夫なんちゃう?
Cyder:笑

KANDY TOWNKruise


108:それで、2位がKANDY TOWNKruise」。これが、俺は「Spcial Radio feat. IO」からIOを知り、「Skweeze Me」のPV見て。


108:「Kruise」買った後に、FREE MIXTAPEDLして。彼らは、KID FRESINOと一緒で、リリックの内容もあんまりなくて。「AlliyahみたいなYoung Ladyが好きなんやな、Young Juju…」みたいな。皆が楽しいヒップホップしてる感じっていうか。よく言われるけど、BAD HOPと違うのが、センス押しなとこやね。BAD HOPみたいにダークなことを言わないし。

Cyder:都会的ですよね。アーバン。
108:勿論、BAD HOPのスタンスのカッコ良さもあるんだけどね。KANDY TOWNは、歌詞は、ほぼ毎曲同じで笑。あと良いは、ビートセンスFREE MIXTAPEの価値って、やっぱりそこに収斂されるけどさ。D’ANGELOの「ALL THAT LADY」とか。90年代の音楽をサンプリングしてトラック作ってる感じも新しいよね。実際、「Kruise」でも、上ネタは90年代だけど、ビートの組み方は最新っていうのが、面白い。


RHYMESTERBitter, Sweet & Beautiful



Cyder:で、次が一番僕が文句言いたい…
108RHYMETSTERBitter, Sweet & Beautiful」。これは、全方位的に敵がいない、「ほぼ無敵のアルバム」やな、っていう。
Cyder:え〜。僕ノレなかったんですよねー
108:この作品は、社会的なことに対して、Bitterなこともあるけど、Beautifulにいましょう」っていう話やんか。それはそれで、一番大人な回答っていうか。でも、今年の後半になるにつれ、ECDとか、ラッパーのラップが好きになってきてるけどね。同時に。



Cyder:それは108さんの転職が関係…?
108:それも関係なくて笑 最近に始まった話じゃないけど、ネット警察みたいなやつが多過ぎて、ヒップホップにまで「正しさ」を求める奴もいてさ。スチャダラパーがSEALDSのライブに出たことに対して「そっち側だったんですね」っていう物言いとか。それ以外でも、ISH-ONEのパクリ問題とか。あれは色々問題もなくはないけど。元々、ヒップホップってそういう「正しい」音楽じゃなくない?野蛮な音楽でしょ?っていう
Cyder:ストリートの不良の音楽ですからね、もともと。
108:そもそもはね。話を戻すと、このアルバムは、PUNPEEも入ったことによって、音楽的強度としても、半端じゃないレベルになってる。あとは、このアルバムは、歌詞かな。曲としていいけど、歌詞も良いっていう。
Cyder:で、僕が気になった曲は「ガラパゴス」


Cyder:あの曲、RHYMESTER信者が、胸を撫で下ろす為の曲になってないかな?」って思うんですよね
108:いやでも、そもそもさ、日本のヒップホップは、海外の文化を輸入して、真似して成長してきた経緯があるわけよ。だから、ガラパゴスとして進化する為には、やっぱり「パクリ」がいるわけで。
Cyder:勿論、理屈は全然正しいと思うんですけど、「パクリ」問題って、いくら相手に理屈を伝えても、為末みたいなヤツには絶対伝わらない気がしていて。何故なら、彼らは聞く耳を持っていないし、そこまで理屈を聞くつもりもないから。だから、理屈ではなくて、脊髄反射的に「カッコ良いじゃん」と思わせることができる曲を、地道に作り続けないと、ダメなんじゃないか?っていう。
108Kids in the Parkはそれを狙ってると思うけどね。


108:一般の人が「あっ」ってる思う、思えるレベルの曲。一方で、ギリギリのライン、とも思うけど。俺らからしたらさ。加えて、「パクリ」云々で補足するなら、最新を積極的に取り込もうとしたISH-ONEが非難されるのは、やっぱりかわいそうだな、と思うけどね。



Cyder:「あの曲は、GD X TAEYANG GOOD BOY』の気の利いたパロディとしてやりたかったんじゃないの?」と思いますけどね、僕は。
108:どうだろ。「あの件」についてもっと言えば、K-POPが好きな人が「パクるのやめて下さい」っていうのは、まだ分かるけど、日本語ラップが好きな連中が、一緒になってISH-ONEをからかうのは、よく分かんない、っていうのもあるね。
Cyder:そこは、「愛のあるdisですよ。
108:別に愛も理屈もないやろ、あのからかいに。
Kazzma:そこは、カッコ良いと感じてもいいところだと思いますけどね。
108:しかも「パクリ」問題ってさ、今まで、別に見えてこなかったというか。本当はいくらでもあるのに、今の時代だから、タイムリーに見えてしまうだけの話でもあるからさ。結構根が深い問題だよ。
CyderISH-ONEは、不幸にもネタキャラ化しちゃってますからね。演出過剰、中二病なせいも多分にありますけど。オタクリスナーに突っ込ませたくなる何かがある。「世界戦」って宣言しちゃうとか。
108:あとは、Snoopのバースは使い回し」、っていう話もね。「別にその曲がカッコよければいいやん!」っていうだけの話なのに。
Cyder:まぁ、曲もダサいですけどね…
108:俺は聴いてないけどね。まあ、本来、その曲のダサい、ダサくないを基準にすべき話なのにね。


Kazzma's Choices

Kazzma:次は僕ですね。僕は、実は今年、日本語ラップ離れちゃったんですよ。本当に聴いてたのはKOHHぐらい。ちゃんと聴いた順で言えば、TOP3が、「梔子」、「DIRT」、「Yellow Tape3」になっちゃう笑。でも、日本語ラップの村の人に読まれると想定して選びました。

第3位、LIBRO x 嶋野百恵「オトアワセ」


第2位、G.RINALotta Love


第1位、星野源「Yellow Dancer



Cyder:星野源ありなの…?笑
108いや、1位、2位は完全に同意!まぁ、cero2位かな、俺なら。



Kazzmaceroは無理なんですよね。歌が弱すぎて、聞けないんですよ。
108:星野源は行けるの?
Kazzma:はい。骨があるかないか、歌に。
108:あと、G.RINAはねー、めっちゃ良かった。めっちゃ聴いた。
Cyder:前教えてくれた、CICADAはダメなの?



Kazzma:どっちかっていうと、ceroに理解は近くて、「ボーカル力があんまりないからあんまり…」みたいな感想ですね。
Cyder:なるほどね。

LIBRO x 嶋野百恵「オトアワセ」

Kazzma:話を戻すと、LIBRO x 嶋野百恵の「オトアワセ」は、2015年に、あの二人が、ちゃんとあのスタンスでやってくれるというだけで、もう価値が100点。欲を言えば、あの二人が練った絡みをする曲が欲しかったな、というのはありますけど。



108:トラックはLIBROがやってるけど、LIBROのラップと嶋野百恵のボーカルが共演する曲は、なかったもんね。


G.RINALotta Love

Kazzma:次の、G.RINALotta Love」は、まず人選がずるいじゃないですか。


Cyder:界隈向けだよね。
Kazzma:完全に。yakenoharaLUVRAWtofubeats…
108:客演が入っていない曲も良いよね。「Kamakura」とか。
Kazzma:あれ良いですよね。カッコ良さを求めたトラックに、歌謡曲っぽいメロディが乗るっていう。
108:そうそう。イントロのギターのリフもね。「来る」やん。「Lotta Love」は、アルバム全体のバランスとしても、本当にすごい。所謂、最近のディスコ・ブギー的なやつから始まって、歌謡的なメロディの「Kamakura」もそうだし。tofubeasとの曲も、俺、初めてtofubeatsがいいと思ったもん。尺も、そんなに長くないし、繰り返し聞けるし、ずっと家で流しててもいい感じ、っていう。


星野源「Yellow Dancer


Kazzma:で、一位は星野源「Yellow Dancer」。皆、「Yellow Dancer」で何が好きですか?
108:「Snow Men」かなあ
Cyder:僕もそれですね。



Kazzma:僕は、タマフルで特集した、宇多丸×スーパースケベタイムの対談を聞くと、どうしても「桜の森」を聴いてしまうという。
108:「桜の森」のレコード、すっごいおしゃれなジャケなんだよ。「こんなにオシャレなの、どうしてくれるんだよ?」っていう。



108:「Yellow Dancer」と、ceroのアルバムは、ブラックミュージックを落とし込んだ日本の音楽として、日本語ラップ以上に真摯にそれをやってるよね。俺は、今年、ceroに関してはライブも行けてさ。だから、確かにKazzma君の言うような、歌唱力問題はわかるかな。星野源の出演したミュージックステーションでも、同じ問題は感じたからなあ。三代目J soul Brothersの後だった、というのもあるけど。
Cyder:星野源とかceroとかは、フィジカルなうまさは全然追求してないですもんね。「渋谷系」とまで言ったら怒られますけど。
108:普通のR&Bより星野源がいい理由はなんなの
Kazzma:やっぱり、何一つ気取ってないからじゃないですかね。
108:なるほどな笑 R&B談義でもよく話すもんね。「クリスブラウン的なものであったらいいのか?」みたいな。
Kazzma:星野源は、「好きなモノを、好きな形に落とし込みました」っていうのが、良いんでしょうね
108NYでレコーディング」とかないもんね笑
Kazzma:そうっすね笑

Kazzma's Recommendation

Kazzma:でも、僕自身が、最近メインストリームRBに括らなくなってきたっていうのもあって。J-Pop寄りになっているせいもあり、余計星野源がヒットしたっていう。
Cyder今井美樹「Colour」とかも凄い推してたもんね。

108Kazzma邸、だからめっちゃ楽しいよ。酔っ払って行くと、オススメのやつを、「これ、良くないっすか?」って、無限に聞かせてくれるっていう笑 教えてくれた、I Don’t Like Mondaysもハンパないよね。あのレベルのアーティストが、この世に知られてないっていう…



KazzmaI Don’t Like Mondays、一般ウケしてもいいビジュアルもしてて。それでいて、音楽性は、ディスコ・ソウル要素が強い感じなんですよね。星野源が、好きなモノを抽出してやったのとは対照的に、I Don’t Like Mondaysは、好き音楽をそのままやってる感じ。STYさんのブログにも同じことが書いてあったんですけど。
108:その区分けで言ったら、Suchmosは前者やね。直訳チック。



Cyder:Suchmos、良かったっすね。凄かった。
Kazzma:だからこそ、ceroCICADAよりは、完全にSuchmosなんですよね。
108Suchmosすごいよね。わかるわ。Suchmosはさ、KANDY TOWNの呂布もさ、客演に呼んでるわけだし。AK-69じゃなくて。そこの感じも、ね。




CyderAK-69は全然違うじゃないですか笑
108:まぁ、AK-69は、やり過ぎにしても、例えば、環ROYとかさ。もう少しメジャーどころの。
Cyder:でもあれ、なんで呂布だったんですかね?実家が近いとかなんですかね?
108:いや、呂布、キャリア長いからね。「ズットズレテルズ」っていう、ハマオカモトとも一緒にやってるグループのMCでもあるしさ。



Cyder:そういう意味では、KANDY TOWNって、セカンド・キャリア的な人も多いですよね。菊丸とか
108:菊丸なぁ……。菊丸だけ、KANDY TOWNのそこだけ、引っ掛かってんなぁ。でも、noshとのアルバムは、あんまり菊丸入ってないからね。ただ、一個前のMIX TAPEは菊丸多めでね…。菊丸が前いたのが、アレなグループやったからさ。「アレ好きな人どこにおったん?」っていう。
Cyder:過激なことを笑 わかる気もしますけどね。でも、あのグループはKEN THE 390が推してたじゃないですか
108いや、だからそういうことやんか!結局。あれ、ほんま誰が好きやったんやろ?KOPERUとかKLOOZの比じゃなく、酷いよな。同じように、KEN THE 390に一瞬推された大阪の似たようなグループもあったしさ。
Cyder:まぁ、そうっすね。

108人数集めればいいってもんじゃないからな。KANDY TOWNはね、そこだけザワついてるかな。
Kazzma:まぁ、最近は、そんなところすね〜。

後編へ続く

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